『論語と算盤』に生きる。

『誠実に生き、社会に貢献する』

恥ずかしながら、これが私の志である。と言っておきながら、これが全くというほどに出来ずに、最終的に軽症うつを患うことになった。すなわち自分自身を見つめ、自身の行動を改めることが出来ず、社会に振り回されて休職した。志もクソもない。これでは何の意味もない。

結果的にこの事実に気づいただけでも、休職するという選択は意義あるものだったと思う。休職中は何のために仕事をするのか、はたまた何のために生きていくのかがよく分からなくなっていたものである。もともと振り回されやすいタイプだったということもあり、自分の考えを整理できず、周りに従って生きてきた結果である。志が確立していなかったのだ。

休職中はあらゆる本を読んだが、その中で最も響いたのが「論語と算盤」である。私の迷いや悩みを追い払ってくれた。この本に出会って本当に良かった。

著者である渋沢栄一は「論語で一生を貫いてみせる」とし、それを体現した。そんな渋沢栄一が私には眩しすぎた。彼は「論語」を教本として生きてきたが、私はこの「論語と算盤」を教本に生きていきたい。お金は稼ぐに越したことはないが、誠実さとかけ離れた稼ぎなどは不要だ。と、胸を張って言えるくらいの誠実さを持ちたい。

人は本来、清らかな心を持っている。私はそう思っている。改めて社会を見渡すと、私の周りの多くの人が、私と同じように悩まされているということに気づく。社員を奴隷にように思っている会社や、一見正しいように見える社会の常識、お金儲けしか考えていない巷の広告に振り回されて、自分自身を見失なっている人が多い。自分がやりたくないことを渋々とやってしまう人が多い。なるほど、渋沢栄一が危惧した未来がやってきている。だからこそ『誠実に生き、社会に貢献する』。これを自身の行動を持って証明し、意義を示したい。

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)