最高の暇つぶし『乃木坂46ドラフト会議2019』を開催した。

乃木坂46 7th YEAR BIRTHDAY LIVE・3日目が開演される約2時間前、決戦の幕が切って落とされた。乃木坂46ドラフト会議2019』である。

これは、予定よりも早く現地に着きすぎてしまい、あまりに暇であった為に考案した史上最高の暇つぶし方法である。恐れずに言うとクダらないしおバカにもほどがあるし、生産性の欠片もないのだが、だからこそ楽しめるものなのだ。イノベーションとは、暇な時こそ生まれるのである。

乃木坂工事中においても西野七瀬白石麻衣でドラフト会議が繰り広げられていたが、あれと似たようなものだと思っていただければと思う。しかし、私たちのドラフト会議は普通のそれとは若干異なる。私たちのドラフト会議は、それぞれ10人を選抜し、最終的にサッカーをする(頭の中で)。なぜ10人かと言うと、私が混ざって一緒にサッカーをするからだ。

ルールは以下の通り。

  • 1回ごとにジャンケンして、勝った方からメンバーを選ぶ。(その方が盛り上がるから)
  • 卒業予定の西野七瀬衛藤美彩は含めない
  • 4期生は含めない(あまり詳しくないから)

ドラフト会議はイオンモール大阪ドームシティにて寿司を食いながら、私とその相方の2人で実施された。結果的に、最高に盛り上がり、ライブ前に意気が高まったことは確かである。

というわけで、私のオーダー表とその結果が以下である。

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お互いの推しメンの1人が生田絵梨花ということもあり、これはなんとしても獲得しなければならなかった。なにせ、私は生田絵梨花さんが第一であったし、これを獲得しないことにゲームは成り立たないと言ってもいいくらいであった。それほどの熱意を持ってファーストジャンケンに臨み、見事に彼女の交渉権を獲得したわけである。良かった、本当に良かった。

代わりに、これもまた競合が予想された山下美月を失うことになったが、これはもう致し方ない。メッシを獲れば、クリロナは失うのである。

で、最大の損失は桜井玲香である。前回の記事であれだけ桜井玲香について情熱を持って述べたのに、その彼女を奪われてしまった。これが痛い。私の構想では桜井玲香ほどアンカーが似合うプレーヤーはいなかったし、彼女がいて初めて成り立つチームに仕立てあげようと考えていたからだ。だったら彼女をファーストチョイスにすべきなのだが、生田絵梨花さんという欲望に屈した。

とはいえ桜井玲香以外については順当にメンバーを確保できたし、なかなか満足度の高い選抜メンバーとなったわけである。特に私が好きな北野日奈子寺田蘭世大園桃子井上小百合を獲得できたのは大きい。最近とんでもなく可愛くなっている堀未央奈を逃したのは痛いが、それでも充分な選考となったであろう。

問題はここからで、選抜した10人をどのように配置するのかが最も重要なステップになってくる。ここで初めて監督しての力量が試されるわけだ。

これはれっきとした真剣勝負。そうである以上、絶対に負けられない戦いがそこにはある。私は、勝つためのフォーメーションを敷いた。

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相手の陣形次第で攻撃的にも守備的にもなれる、柔軟性の高い3-4-2-1をチョイスした。大エース齋藤飛鳥を1トップに据えて、北野日奈子寺田蘭世という勢いのある2人をシャドウに置いた。アンカー桜井玲香を逃してしまったため、そこはオレが補填してみせる、生田絵梨花さんと。また、キーポジションの1人であるセンターには、闘える井上小百合を置くことにした。なかなか期待できる陣形である。

サッカーが魅力的である理由は、それぞれがそれぞれの場所で魅せることができることだ。グループアイドルのダンスとなるとどうしてもセンターが主役となりがちであるが、サッカーにおいてはどのポジションも極めて重要であり、まさに適材適所な配置が必要になってくる。

とはいえサッカーにも、多くの人に注目されるポジションがある。いわずもながフォワードである。やはり点を取ってこそサッカーということもあり、どうしても点取り屋であるフォワードに目が行きがちなのだ。だからこそ、そこにはエース格を置きたい。そう、齋藤飛鳥である。

で、その目線は相手も同様であった。

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予想通りに桜井玲香をアンカーに据え置いてきた。ずるい。更にいうと、次期エースとも見れる山下美月白石麻衣を2トップに置くというなんとも贅沢な陣形だ。隣にヤツの推しメンである斉藤優里を置いているという点では私の目論見と一致するが、わざわざ「ユウリ」と書いていることに絶妙なキモさを感じる。

さて、サッカーとは11人のスポーツであるが、正式には22人である。22人揃わねばゲームは成り立たない。そう、相手チームと戦わないことにはサッカーと言えないのである。つまり、この2チームでサッカーをするのだ。

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こういうことである。陣形を合わせて図にするだけで、我々がどれだけ幸せになれるかとうことが理解できるだろうか。自チームが乃木坂46のメンバーだらけで、なんと相手も乃木坂46のメンバーだらけである。アイツだけが本当に邪魔だ。

当初の構想ではアンカーに桜井玲香を据え置き、その前にオレと生田絵梨花を据え置く予定だった。後ろに桜井玲香がいると安心があるし、振り向いたら桜井玲香のお顔を拝見できることに幸せを感じるからである。しかしなんの幸運か、前方に桜井玲香がいるではないか。美人は3日で飽きるというが、少なくとも私は桜井玲香の顔を見続けても飽きない自信がある。

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私のポジション的には上図が主な関係プレーヤーとなってくるのだが、なんとまあ天国である。後ろを振り向けば白石麻衣山下美月という大エースがいるし、左には大園桃子もいれば堀未央奈もいる。

さて戦術的な話に移ろう。この陣形の組み合わせになると、それぞれ鍵を握るプレーヤーが出現してくる。

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それぞれのマッチアップ(1対1で自分がマークする相手選手のこと)する選手は上図のようになる。私はゆったんとマッチアップすることに大変な幸福を感じるのであるが、アイツに至っては生田絵梨花さんである。ズルすぎる。

さてこのように示してみると、誰が浮いていることかが分かる。そう、自チームは井上小百合で、相手チームは桜井玲香が浮く(フリーである)ことになる。まあ相手がどういう守備体形を敷いてくるか、はたまた自分たちがどのようなサッカーをしたいかによって状況が変わってくるが、やはり井上小百合はキープレーヤーになる。

攻撃時は井上・佐藤・新内の3人に加え、高山一実を使って白石と山下の守備をうまくかわしていく。中盤では北野・寺田がいかにスペースを掻い潜れるかが勝負の分け目となる。相手には強力な桜井玲香が控えているが、そこをどうやって破っていくかに掛かっている。

まあ攻撃はあまり気にしなくて良い。私はこの勝負に絶対勝たなくてはならない。つまり、失点は絶対にしないことを第一に考える。すなわち守備的な戦術を主とする。どういうことかというと、ドン引き+カウンターという我慢の戦術を用いる。上図では松村沙友理齋藤飛鳥をブツけているが、桜井玲香齋藤飛鳥をブツけるのである。

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つまりこうである。桜井玲香に加え、白石と山下という強力2トップには絶対にボールを渡さないように、我々10人はスペースを消す。勝つためには、我々はウズベキスタンにもトルクメニスタンにもなる。おかげで相手はまるで日本代表のように、ボール支配率は上昇するが、必ず攻めあぐねるだろう。この戦術のおかげで私はさらなる天国を味わうことになるが、決してそれを目的としているわけではないことを理解してほしい。とはいえみんなで守ってみんなで攻めるというのは実際結構楽しいし、チームとしての雰囲気もよくなるものである。

さてここで相手はどうするだろうか。最もオーソドックスな戦術は堀と与田を両翼に広げ、サイドから局所的に数的有利を作ることであろうが、私は松村沙友理が天国ゾーンに突っ込んでくれると信じている。そこを上手く奪取できれば、あとはカウンターでズドンだ。北野と寺田はスピードも十分。トドメは齋藤飛鳥にお任せしよう。

トキトキメキメキ

トキトキメキメキ

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我々2人はそれなりに王道メンバーが好きだった為に、最初はオーダーが被って大盛り上がりである。もちろん、後半はそれぞれの好みが段々と別れていくため競合することは無かったが、相手の好みを知れて面白かったりする。歴代メンバーを入れるのもアリだ。1対1でも十分に盛り上がるが、人数が増えればなお盛り上がるだろう。また、我々はサッカー好きである為にサッカーを種目として選んだが、野球でもバスケでもフットサルでもなんでも盛り上がると思われる。特にスポーツが好きでなくとも、次期シングルの選抜メンバー、ならびにフォーメーションを選ぶだけでも充分に楽しめる。暇な人はぜひ友達とやってみてほしい。本気でやれば、半日は余裕で過ごせる。なんなら、これをウイイレパワプロでやるのも格別に楽しいだろう。

乃木坂46が詠った素晴らしい詞を紹介する。

言葉に注目するとき、大事なのは「誰が言ったか」ではなく、「何を言ったか」に焦点を当てるべきである。「この人が言ったから」という視点で見ると、その人が嫌いなだけでその人の言論全てを一切評価しなってしまったりもするが、それは避けるべきであろう。

歌詞についても同様で、「誰が歌ったか」ではなく、「何を歌ったか」に焦点を当てるべきである。その点で見れば、J-Popが至言の宝庫であることが分かる。更に言えば、乃木坂46が私たちに素晴らしい名言を残してくれていることに気づき、感謝しなくてはならない。彼女たちの言葉には、時に「生き方」に関する大事な視点を我々にもたらしてくれるのだ。

過去を忘れて今を生きるんだ

- 「狼に口笛を」より

過去を顧みるのは決して悪いことではないが、それに囚われ過ぎるのは良くない。思うに私は過去に縛られすぎであるし、かつ未来に怯え過ぎている。いつまでも過去の失敗にクヨクヨすべきでないし、かと言って見えない未来に対して悲観するのも時間の無駄である。

みんなに合わせるだけじゃ

生きてる意味も価値もないだろう

- 「ジコチューでいこう」より 

他人を敬うことと、他人に合わせることは同義ではない。これを履き違えている人が多いのかもしれないが、私もその1人である。これまで、やたらと他人の目だけを気にして生き過ぎていた。そのような人生は、非常に空虚で、面白みのないものであった。ジコチューとまでは言わずとも、自分の意志や夢には逆らうことなく生きていきたいものである。

決心のきっかけは理屈ではなくて

いつだってこの胸の衝動から始まる

- 「きっかけ」より

人は決して合理的な判断だけで生きているわけではない。はたから見れば時には不可解な行動をしているし、利益がなくとも進んで行動する時だってある。それこそ人間なのだ。だから周りの目に流されず、自分の思うがままに生きるのが何よりであろう。好きに仕事して、遊んで、恋して、楽しく生きる。これほど幸せな人生はないだろう。

隙間を大事にして

ゆっくり生きていきたい

一日のその意味合いを

確かめて前に進む

- 「隙間」より

多くの人が隙間を無くしてしまったのは何故だろうか。余裕なく生き、あっという間に人生が終わってしまうのは悲しい。これまでの社会人生活はあまりに隙間が無かった。それは決して誇れるものでは無かった。できれば余裕のある毎日を過ごし、安らかな人生を歩んでいきたい。ひいては誰しもがそんな状態になってくれれば、社会はさらに良いものになっていくだろう。

大事なことは死に方なんだ

- 「忘却と美学」より 

武士道にも通ずるような言葉であるが、似たような言葉が論語にもある。

君子は、自分が生きている間の名声ではなく、死んでからの名声を気にする。

- 「超訳 論語」より 

孔子を含め、多くの偉人は自分がこれほどまで有名になるなど思ってもいなかったであろう。逆もまた然りで、悪人はいつまでも悪人である。始皇帝曹操のように、評価が分かれる人もいる。

私の大好きな自来也先生(NARUTO)もまた、似たような発言をしている。

忍びは生き様ではなく死に様の世界。

忍びの人生とはどうやって生きたかではなく、死ぬまでに何をしたかでその価値が決まる。 

- 「NARUTO」より

さて現代は、自らの手によっていくつもの記録を残すことが可能になったが、逆を言えば、永遠に消せない記録が残されることになる、ということでもある。また、他人からの評価も、残念ながら一生残されることになる。

自己顕示欲か、あるいは他人の目を気にし過ぎて発狂してはいないだろうか。とんでもない記録を残してはいないだろうか。それは死後も残り続け、ひいては悪人として史に残ることになるかもしれない。 

隙間

隙間

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「自分のやりたくないことは、人にするな」が、できない。

「自分のやりたくないことは、人にするな」。生きる上で大切にしたい教えの一つであろうが、これが中々に実行できない。

この言葉は孔子が「恕」を定義する際に用いた言葉であり、以下のように記されている。

己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。

これは普通、「自分のやって欲しくないことは、人にするな」と捉えられる。要するに自分が他人からやられて嫌だと思うことは、自分はしてはいけないということである。

これに対し経済学者の安富歩氏は、この言葉の意味を「自分のやって欲しくないことは、人にするな」ではなく「自分のやりたくないことは、人にするな」と訳している。

「自分のやりたくないこと」とは、単に自分の欲求のことを言っているわけではない。人として当然とも言える、義や誠の心に背いた行いを他人にしてはいけないということである。

 「自分のやりたくないことは、人にするな」という言葉は、当たり前のように見えるが、そうではない。例えば日本軍の兵士として中国大陸に派兵されて、そこで「初年兵教育」と称して「肝試し」のために、罪のない人を殺せと命令された場面のことを考えてみよう。こういう場面で命令に背くのは容易ではない。それでも仁を志す者ならば、たとえ命を捨ててでも、「自分のやりたくないことは、人にするな」というのが孔子の教えだと私は考える。これをやり抜ける人は、どのくらいいるだろうか。

  - 『生きるための論語』より

きっと私は上司の命令に逆らえず、自分の気持ちに苦しみつつも、あっさりと罪のない人を殺すであろう。そのくらいに私は臆病であり、クズである。

あなたは第二次世界大戦時の日本兵。捕縛した罪のない市民を今すぐ虐殺せよと命じられた。命令に背けばあなたは殺されるし、あなたの家族も処刑される。さあ、どうする?

ああ、こんな状況を考えるのはとてつもなく辛いが、臆病な私は、やっぱりその場にいる市民を殺してしまうであろう。

幸いなことにこれほど酷な状況には、少なくとも今の日本で普通に暮らしている限りは遭遇しないであろう。しかし、ここまでとは言わないものの、我々には必ず「自分のやりたくないことは、人にするな」という教えを試される時がやってくるものである。例えば、以下である。

銀行員であるあなたは、上司に課されたノルマにより、大して価値を感じることのない生命保険を多くの人に買ってもらう必要が生じた。達成しないと上司による長々とした説教、および減給処分があなたを待っている。

さて、こんな状況で、明らかに生命保険が不必要とされる老夫婦に、あなたはこの商品を勧めるだろうか?似たような状況は、会社員として働いているあなたならいくらでも想像がつくだろうが、やっぱり私はノルマのためならどんなクソな商品でも売ってしまいかねないくらいに気弱だと感じている。

あなたはたまたま、吉澤ひとみの轢き逃げ事故に遭遇した(参考動画)。周りは全く動じず、何事も無かったかのようにやり過ごしているが、あなたはどうするだろうか。

さて、この動画は吉澤ひとみ氏だけでなく、轢かれた方の近くにいた周りの人々が、特に寄り添うこともなく平然と横断歩道を渡っていってしまっていることに、世間は衝撃を受けた。もちろんあるべき姿は、轢かれた方の介抱をしたり、救急車を呼んだりすることであるし、当然の行いであろう。

しかし、一瞬の出来事でパニックに陥り、はたまた誰も対応せずに平然と行く様を目撃してしまうと、自分の行動にも迷いが生じてしまうであろう。少なくとも私は、この状況に立たされても真っ先に行動できる自信が無い。クズなことを言っていることは承知であるのだが、所詮その程度の人間なのだ、私は。

あなたは電車で優先座席に座った。一駅先でお年寄りの方が乗車してきたが、座席は一つも空いていない。お年寄りは私の目の前ではなく、少し遠いところで立っているが、目の前に座っている人は誰も譲ろうとしない。さあ、あなたはどうするか?

このくらいの出来事は日常茶飯事の如く目にする光景であるが、これもまた「自分のやりたくないことは、人にするな」が試される瞬間でもある。

この点に関しては素直に譲れる方も多いであろうし、たとえ拒否されたり、返って怒られる可能性があることを分かった上で対応している若者を見ると、ああとても良い世界だなと思うわけである。

中には全く譲る素ぶりを見せない者もいるが、果たして私はどうかというと、正直に申し上げて実行できない時がある。空いている時や家族や友人と同席している時(知り合いがいると、良いところを見せなきゃ、というひねくれた考えがそこにはあるのだろう)は譲れることが多いのだが、混んでいるとなぜか勇気のハードルが上がり、譲れなくなってしまったりする。また、これは自分を観察していて大変興味深いのだが、イヤホンをしているとなぜか譲れなくなる。どうやらイヤホンをして音楽を聴いていると、たちまち自分の世界に入り込んでしまい、たとえ電車の中にいようと外界をシャットアウトしてしまうらしい。

譲れないとその瞬間に心がチクっとするし、大変後悔する。しかし、少しすればそんなことはどうでもよくなる。書いていて悲しくなるが、やはり私は弱者である。

ナチス政権下のユダヤ人大量虐殺の関係者であるアイヒマンは、「私は命令に従っただけだ」として自分の責任を認めなかった。この態度がなぜ誤っているのかを、「己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ」という言葉は直ちに明らかにしてくれる。

  - 『生きるための論語』より

己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ。孔子によるたった一文の教えですら、私は未だ実施に至れない人間である。今の所、私は孔子を語る資格などない。それでもやはり、孔子の教えに従い、少しでも善く生きていきたいものである。

そこで、やはり孔子の教えに従い、人格を磨いていきたい。ここで渋沢栄一の言葉をお借りしたい。

彼ら(筆者注:孔子孟子といった儒教の始祖たちのこと)のとなえた、

「忠」- 良心的であること

「信」- 信頼されること

「孝弟」- 親や年長者をうやまうこと

などを重視するのは、とても権威のある人格養成法だと信じている。要するに、忠信孝弟を重視するのは、

「仁」- 物事を健やかに育む

という最高の道徳を身につけるために、また、社会に生きていくうえでも一日も欠かせない条件なのだ。

この忠信孝弟を、自分を磨くうえでの基本にすえたなら、さらに進んで知恵や能力を発展させていくための工夫をしなければならない。

  - 『論語と算盤』より

常に忠信孝弟に従い、ふさわしい言動を実施することができれば、その時はじめて私は「自分のやりたくないことは、人にするな」を体現できるであろう。これが試された際に、少しでも状況を冷静に捉え、勇気を出して自分の意志を示していく。自分がとんでもない不祥事を起こしてしまう前に、まずは小さな試され事から突破していきたい。

「目的を達するためには手段を選ばない」

といったように成功の意義を誤解する人もいる。さらには、どんな手段を使っても豊かになって地位を得られれば、それが成功だと信じている者すらいるが、わたしはこのような考え方を決して認めることができない。素晴らしい人格をもとに正義を行い、正しい人生の道を歩み、その結果手にした豊かさや地位でなければ、完全な成功とはいえないのだ。

  - 『論語と算盤』より

完全な成功とは、誠に難しい。とはいえ、成功を求める前に、まずは人格の修練である。それができねば、彼の言う成功には一歩たりとも近づけないのだ。

生きるための論語 (ちくま新書)

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些細な仕事にも誠実に取り組む姿勢を。

与えられた仕事に不平を鳴らして、口に出してしまうのはもちろんダメだが、「つまらない仕事だ」と軽蔑して、力を入れないのもまたダメだ。およそどんなに些細な仕事でも、それは大きな仕事の小さな一部なのだ。これが満足にできないと、ついに全体のケジメがつかなくなってしまう。

大きな仕事を成し遂げるには、小さな仕事の達成を積み重ねる必要がある。どれほど些細であろうと、一つ一つを忠実にこなさないことには、目的地に辿り着くことはあり得ない。

私は仕事柄WBS(Work Breakdown Structure)というツールを多用するが、なるほどこれらを達成すればするほどに大きな成果に繋がるのだと深く実感している。だからこそ1つのタスクがいかに小さくとも、いかにショボくとも丹精を込めてそれに取り掛からなくてはならない。

確かに最初は庶務だの他部署への照会対応だのと、一見なんの成果にもならなそうな、無意味にも捉えられる仕事ばかりやらされたものである。とはいえ最初はそう思ったものの、後からそれらの仕事は意味のあるものだったのだと幾度となく気付かされたものである。あの時やっておいたからこそ今に繋がったものは多くある。

昔の言葉に「千里の道も一歩から」とある。たとえ自分は、「今よりもっと大きなことをする人間だ」と思っていても、その大きなことは微々たるものを集積したもの。どんな場合も、些細なことを軽蔑することなく、勤勉に、忠実に、誠意をこめて完全にやり遂げようとすべきなのだ。

新人の頃は「大きな仕事を成し遂げてやろう」と意気込んでいた。だからと言っていきなり責任の重い仕事を任されるはずもない。当然である。だからと言ってそれに不満を持ってはならない。

責任の重い仕事を任されたこともあるが、どのように進めて良いか分からず右往左往した経験が何度もある。それは中々に辛いものであった。スキルだけでなく、精神の向上が伴っていなければ、仕事は上手く進められない。自分の能力以上の仕事は、やはり完遂できない。ならば今は自分でこなせるであろうギリギリのタスクを、誠実に、必死に取り組むだけである。

成果をあせっては大局を観ることを忘れ、目先の出来事にこだわってはわずかな成功に満足してしまうかと思えば、それほどでもない失敗に落胆する――こんな者が多いのだ。

これは仕事に限った話ではない。実際、目先の甘い話に釣られて失敗する人は多い。特にお金が絡むと、人はたちまちと盲目になってしまうものである。そのような状況に陥らないためにも、自分はどう生きるべきか、使命は何なのか、よく考えておかねばならない。この行いが志や信念を生み出す。そうすれば、たとえ困難に陥ろうとも道を踏み外すことは無いのだろう。

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

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「軽症うつ」を患い、克服した話。

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新卒で銀行の社内SEとして働いてきたが、軽症うつにかかってしまったことがある。

現在は回復して再度仕事に臨めているが、軽症うつになったことで私の体調や思考、環境、そして周辺にも大きな変化が生じていた。せっかくなので皆さんにも共有しておきたいと思う。

なお先に言っておくと、私は軽症うつによって多くの学びを得ることができたし、成長できた。企業や上司も恨んでいない。原因は多くは私にあり、部署が悪いわけでもない。※ただし部署ガチャで悪運を引いたのは間違いない。

※1 エクスプレッシブ・ライティング(不安や悪口を思いのまま書くことで自分のメンタルを整えるストレス解消方法の一種)の一環として書いている。とはいえインターネットに公開するわけで、なるべく配慮して書いたつもり。身バレも避けたいので、いろいろと変えてる。

 ※2 今まさに軽症うつにかかっている人には、刺激が強いかもしれないので控えてほしい。むしろ軽症うつの知識を知らない人や、軽症うつやうつ病になった人の体験談を見たことがない人に見ていただきたい。「知る」だけで力になる。

プロフィール

  • 都内にある銀行のシステム部門に所属して4年弱。
  • 昨年軽症うつを患い3ヶ月ほど休職し、無事に体調は戻った。復帰後は別部署への異動を希望して、今は徐々に仕事への復帰を行っている状況。
  • 高校までサッカー部に所属していたため、忍耐力はあると思っていた。
  • 大卒文系。ベンチャーや起業という思考もエナジーもなく、「とりあえず大企業」という古い考え方を持っていた。
  • 社畜性抜群。 素直でイエスマン。新人だから先ずは断らずに頑張ろうというお粗末な考え方があった。残業も辞さない。大企業なので残業代はマックスで出るし、別にいいやというお粗末な考え方があった。
  • 部署はバリバリのグローバル部署(システム部の下に何十もの部署があり、その1つ)。大企業はどこもそうだと思うが、部署によって雰囲気も文化も全く異なる。私の部署はとにかく忙しいし、問題視されている(はず)。
  • 4年間、寮に住んでいる。

誰にでも起こり得る軽症うつ

昨今「うつ(鬱)病」という言葉は大分と広まったであろうが、「軽症うつ」に関しての認知はさほどされていないように思える。私もこの概念を一切知らなかったせいで、自分が軽症うつにかかっていることに気づかないまま過ごしてきた。

私は以下文献により、軽症うつの概念を知り、自分が軽症うつであることを知った。

決定版「軽症うつ」を治す (角川SSC新書)

決定版「軽症うつ」を治す (角川SSC新書)

 

以下、「軽症うつ」のポイントを列挙しておく。

  • 「軽症うつ」にかかる人の多くは、それまで普通に仕事や学校に行くことができる。

  • 「軽症」の意味は「症状が軽い」ということではない。典型的なうつ患者と比べて抑うつ症状が目立たないということである。一見普通に会話もできるし、社会に適応できているように見える。しかしながら内側を覗いてみると、大きな苦悩に陥っている。

  • 患うきっかけは2つ。仕事や日常生活における環境要因と、別の病気などによって引き起こる内部要因とがある。

  • 病前性格な人ほど陥りやすい。病前性格とは一般的に「真面目」「献身的」「責任感が強い」「仕事熱心」「責任感が強い」などのことを言う。
  • 「軽症うつ」は感知しにくく、放置されやすい。初期症状は「寝つきが悪い」「立ちくらみがする」「肩凝りが酷い」など、掴み所のない症状ばかり。
  • 受け身の姿勢では治らない。薬を飲むから治るわけでもなく、最終的には自分で立ち上がらなくてはならない(セルフコントロール)。

症状名に「軽症」と 入るばかり大きな誤解を招くが、決して症状は軽くないということである。ということもあって最近では「軽症うつ」の代わりに「適応障害」の方が広まりつつあることを実感している。私の診断結果も正式には適応障害である。 そして初期症状があまりに掴み所がないため、気づきにくい。私も血液検査等々、すべて正常だった。

そして私の回復が早かったのは、ほぼこの本に書いてある通りの手段を取っていたからであった。

軽症うつにかかるまでの経緯

4年間、以下のタイムスケジュールで生きていた。

  • 5:00 起床・シャワー
  • 5:30 勉強
  • 6:00 朝食
  • 6:30 家を出る
  • 7:30 出社
  • 8:30 始業
  • 17:00 終業(残業開始)
  • 22:30 残業終わり
  • 23:30 帰宅・ご飯
  • 24:00 勉強 or ブログを書く
  • 24:30 風呂
  • 25:00 就寝

まあ、ツッコミ要素、というか自滅要素が多い。存分にツッコんで頂きたい。つまるところ、自分を過度に追い込んでいた。

上記はピーク時の時間であるが、寝る時間はだいたい23時〜25時。たまにブログをもっと書きたくて26時になることもあった。起きる時間はいつも5時。これは固定していた。いわゆる朝活(という洗脳)をやりたかったのと、満員電車を避けるため。おかげで電車(40〜50分程度)はいつも座れていた。

昼飯は最初は食えていたが、だんだんと仕事に追われ始めて食べなくなってきた。ピーク時は休憩をあまり取らず、どこかで15分〜30分仮眠する程度。

夜ご飯も最初は仕事中に抜け出して食っていたが、昼飯同様食べれなくなり帰宅後に食べることになった。だいたい松屋すき家吉野家すき家の豚皿定食には非常にお世話になった。

大企業なだけあって、年間を通して残業制限はあったし残業代もマックス。1年目は未だ余裕があった。しかし仕事に追われ始めた頃からサービス残業をちょくちょく始める。結局残業代のおかげで、同期と比べてトップの年収(400万程度だろうか)になっていたと思う。全く誇らしくない。

有給休暇はたくさん使えるし、10連休なんかも強制取得させられる。これはマジで有難かったが、多めに有休を取るみたいなことはあまり出来なかった。法令遵守は物凄いし、おかげでシステム会社としてはトップクラスのホワイト企業だと言える。事実同期はマジで楽しそうに生きてる。私は入る部署を完全に誤った。

部署がやばい

軽症うつになった要因の1つが部署の環境なのだが、とにかく私の部署は状況が芳しくなかった。管理職からペーペーまで全員残業しているし、早く帰っているのは時短勤務の人、そしてうつ病から帰ってきた人だけだ。明らかにおかしいし、周りの部署からとにかく問題視されていた。

しかし、これが治らない。経営層や人事部も状況は知っているはずなのに、あまり良い施策を打ってこない。忙しいおかげで飲み会が少ない(というより参加率が激低)のは最高だったが、謎に宴会芸はやらされた。そこは古いなと思う。というか私からすればアウト。

結局4年間、何も変わっていなかった。私が軽症うつになっても、変わっていなかった。休職する直前私は「この部署は見放されている」と思っていた。 これは冷静に考えれば分かる。現状銀行の最重要プロジェクトと言えば「勘定系の刷新(青い銀行がやってるやつ)」「AML(アンチマネロン)」「糞テックデジタル(予算をどんどん注ぎ込む)」などなど。最近のメガバンクや意識高い大手地銀は特にデジタル案件が増えてきているだろうし、このどれにも当てはまらない我が部署は見放されて当然である。なので、人も増えない。経営層に共感したくはないが、所詮この部署はその程度である。

1年目

配属面談なるもので、英語を使えるようになりたいと豪語した。これが私の運命を決めた。結果、軽症うつになったグローバルな部署に配属が決定。もちろん私は燃えていた。ここで成長するぞと。ただし、努力の方向を間違えた。成果より、時間を売っていたんだと思う。1年目から最初に挙げたタイムスケジュールになっていった。しかしながら1年目は全くのド健康。眠気は感じるが集中力もそれなりにあったし、どこかが不調になったわけではなかった。まだ身体が耐えていたんだろう。モチベーションも高かったし。 週末は必ず休みなので、寝て回復することができた。

いまよく覚えているのは、配属されたときに先輩から「地獄へようこそ」と言われたこと。今になって意味がよく分かる。

2年目

最初は大丈夫だったが、後半になるに連れて徐々に疲れを感じ始めた頃。土日に遊んでも疲れが残っていて、十分に楽しめなくなってきたのを感じていた。

イライラすることも増えた。普段は温厚なはずなのに、私らしくないなとは思っていた。新人も入ってきて、それも結構慕ってくれたので、やる気もあがった。けどその新人もあっさりと私と同じ様に残業放題になってしまい、なんだかなあという感じ。

2年目に入ってから、緊急時のコール先にも抜擢されてしまい(新人あるある)、夜中によく電話が掛かってきた。1時に就寝して2時に叩き起こされ、3時に出社、そのまま働き続きて18時に帰る。みたいなあり得ない働き方を数回経験した。

一番辛かったのは会社の送別会で幹事をして終電で帰り、寝ようとした瞬間電話が鳴ったこと。泣きたい。また、この年に6年上の先輩が鬱(軽症うつではなく本当の鬱)にかかり休職。結果的に退職にまで追い込まれた。ここで私はある事実を知った。この部署は休職者が多くて、過去に何人もの人が休職しては同じ部署に戻ってきている。意外な人(丈夫そうな人)が休職していたりして、この世界の狂気具合を知った。

3年目〜休職するまで

この頃、私は完全に死に始めていた。というか死んでいた。特にメンタルが。風邪を引くとか病院に行くとかは全く無いのだが、モチベーションは最低だった。この頃から、もうすでに軽症うつに掛かっていたんだろうと思う。症状は後述にて詳しく書いていく。

また、この年またもや1人が鬱(これも軽症うつではない)にかかり、休職。なぜ、休職者がよく出るのにも関わらず何もアクションが無いのか、マジで意味不である。

そして、私は「大丈夫な人」と認識されていた。これはマズかった。私もそう思っていた。自分は軽症うつなんかにはならない。身体もメンタルも、それなりに自信がある。大丈夫だ。そうやって双方が思い込んで、無茶した。無茶させたのであった。

症状

とりあえず感じたことを思うがままに書く。整理しないので共通点・類似点はたくさんあるだろうが気にしないでほしい。

  • 集中力が全く続かない。常に不安や考え事で頭がいっぱいになり、目の前の仕事に集中できない。常にタスク一覧を開いては憂鬱になり、物事が進まなくなる。
  • 頭が常にボーっとする。自分が何を考えているのかよく分からなくなる。常に頭が重い。
  • 物忘れが激しくなる。仕事中の「あれなんだっけ?」が極端に増えた。怖い。
  • 身体がだるい。
  • 返答に時間がかかる。人に問われてからなぜか時間がかかり、微妙に間が空いてしまう。これ結構怖い。
  • もともと無口な方であったが、更に喋らなくなる。同期と行く気楽な飲み会ですら、疲れが優先して大して喋れなくなる 。その自分に嫌気が刺す。怖かった。
  • 頭を押すと痛い。
  • 肩こりが増す。
  • 騒音に敏感になる。特に寮の廊下での騒ぎ声(銀行員の営業、ザ・体育系な奴はマジでうるさい)には酷くイライラした。
  • 休日が楽しくなくなる。遊びたくなくなり、とにかく寝たい。遊んでも素直に楽しめないし、会話も弾まなくなる。
  • 思い出として残らない。表現し辛いのだがこれも結構怖くて、思い出が全てが薄くなるというか、「楽しかったなあ」という気持ちが消える。数回結婚式に参加したが、あまり思い出に残っていないのがその典型。式中も嬉しさより疲れが強かった。人として最低なのだが、そうなってしまう。
  • 寝ても回復しなくなる。
  • 何事にも億劫になる。以前は頼まれ事に対しては熱心に取り組めたが、それができなくなってしまった。
  • 無気力になる。最終的には好きだった趣味も嫌いになる。これは最悪である。
  • 映画館が好きだったのに、上映中ですら不安が襲ってきたり、考え事をしてしまう。
  • 冷酷になる。頭がイカれて、部署内の同期や後輩に対して冷たくなる。これもマジで怖い。※仕事しすぎてる上司や経営者は確実にこの類で、イライラの予兆は確実に「働きすぎ」であると思う。
  • 英語が喋れなくなる。少しは喋れていた私だったが、日本語→英語の変換ができなくなる。簡単な単語でさえ思い出せなくなり、会話ができなくなる。
  • 不満が溜まる。あらゆる物事を自分のせいではなく、上司や同期を責めることで解決しようとする。
  • 先延ばしばかりする。

こうして症状を書いてみるといわゆる「うつ」に近いし、これを我慢していたら症状はもっと重くなっていたんだと思う。早めに治療して本当に良かった。

うつ病」との決定的な違いは、「死にたい」のような感情は一切なく、自傷行為もないということだろうか。

ただ怖いのは、うつ病のような症状が出ていてもそれに気付かないことだ。今思い返せば多くの症状が出ていることが分かったのに、当時の自分は思考能力が低下していてそんなことを考えなかった。考える余裕もなかった。知識もなかったし。

気付けたのは、休日横になりながら、リラックスした時。ふっと「もしかして相当疲れてるんじゃないか」と感じ、軽症うつの知識やストレスチェックなどを行ってみた。そこで自分は相当やばいことに気付いて病院に向かった。

休職を決断した日

休職の直前は、ついに身体までおかしくなっていた。頭痛や眼の疲れが酷くなり、寝付きも悪くなった。仕事が出来ないというわけではないし、これは単に疲労が原因なのであろうが、これがメンタルに更に影響を与えたのは言うまでもない。

休職を決断するのに勇気は必要だった。 今は全くそんなことは思ってもいないが、当時はとにかく自分に対して情けなさを強く感じていた。

「なんて弱い奴」

「職場の皆さんに申し訳ない」

「何も成し遂げられていない自分に腹が立つ」

それで時々寝れなくなり、涙を流したりもした。しかし踏み切った。

正直に言えば、私を繋ぐ糸は未だ切れてはいなかった。働こうと思えば働けただろうし、耐え忍ぶことを選択することもできた。しかし最後は自分で自分の糸を切った。

踏み切れた理由はいくつかある。一つは、本当に逃げたくなり、そしてそれを容認する社会になりつつあること。もうメンタルも身体も異常だったし、とりあえず休みたくなった。そして社会に「鬱」や「働き方改革」、「ブラック企業」という概念が広まり、対応せざるを得ない状況に陥ったこと。概念は私を後押しした。「鬱」という概念が私を「鬱」にしたとも言える。※これが「新型うつ」を生んだ要因であろう。

また、皮肉であるが、過去に鬱で休職した人が何人もいること。私だけじゃないんだ、という気持ちは結構後押ししてくれる。いかにも日本人らしいが。※鬱は感染する、とも言える。

さらに、大企業というサポート体制抜群の会社に在籍していたのも大きいかもしれない。休職しやすい環境が既にできている。やや誤解を招く表現だが、診断書があれば直ちに対応してくれるし、部署の上司ではなく全く関係の無い人が手続きや仲介を行ってくれる。この点は非常に助かった。なので、逆を言えば上司に相談せざるを得ない環境の人(全員が知り合いになる社員の少ない中小企業とか)はキツイだろうなと思う。

ということで会社に連絡し、病院に行って医師から診断を受け、診断書を受け取った。それらを会社に伝え、診断書を渡して休職することが決定した。

どのように回復したか

休職中は実家に帰された。家族は非常に心配しただろうが、安心してもくれた。

私も、25歳という若い頃にかかって良かったと思う。これがもっと年取って色んな責任なり負債なり何なりを抱えていたら、ダメージは大きかっただろう。周りへのダメージも。逆を言えば、若かったから休職に踏み切れていた、とも言える。責任というプレッシャーがあれば、休むに休めなさそうだから。

きっちり睡眠を取り、健康な食事を取り、仕事のことは一切忘れた。最初の1ヶ月はメンタルに大きな変化はなかったが、体調は戻りつつあった。

2ヶ月目は映画をたくさん観て、本を読んで、お出かけすることができるようになった。没頭できるようになった。こういう事がすんなりできるようになったのも、重度な鬱にまで至ってなかったからだろうと思う。酷いと趣味にも没頭できなくなるらしい。

故郷にいる友人とも会った。最初は億劫だったが、会えるようになるまで回復したということだ。友人との会話は、私を大いに元気づけてくれた。 また、会社の人には言えないが旅行にも数回行った。新しい景色に出逢い、温泉に浸かることに大きな喜びを感じた。もうほぼ治ったんだろうなと感じた。2ヶ月目でほぼ治ってきたのだ。

念の為、当初の通り3ヶ月休んだ。というのも仕事に対するやる気は未だ微妙だったから。3ヶ月目は、これからどうするのかを考えた。私の健康は。仕事は。キャリアは。お金は。今までの生活や自分の思考を省みて、未来の計画を立てることにした。そうやって考えることができるようになったのだ。再び自分の可能性を見つめ直し、情熱を持つことができるようになったのだ。ここで私は就活の頃、新卒の頃の感情を思い出すことができた。

私を回復させてくれたもの

効果が高い順で書いていく。

早めに逃げる、休む

まあ、言ってしまえばこれに尽きるのだが。 私が早く回復したのは、重い鬱になる前に休んだこと。逃げたこと。 「逃げるのはダメ」なんて意見は多くてそれに縛られる人も多い。けどそれは意見であって、なんの効力も無い。自分の本当に意思に従ってさっさと逃げたことが幸いした。だから今少しでも辛いと感じてる人は、選択肢の1つとして「逃げる」ことを加えておいてほしいな。ポケモンにも「逃げる」コマンドあるでしょ。あれだ。

家族、友人、同期、先輩、人事部や産業医精神科医やカウンセラー

私は人によって鬱になり、人によって回復した。家族や友人の支えは大きかった。同期や先輩からの応援メッセージも嬉しかった(最初はちょっと嫌だったけど)。人事のおじさんや産業医も、私の言葉に耳を傾けてくれた(それが仕事なんだろうけど、大事だ)。色んな人に支えられたおかげで、徐々に回復することができたんだと思う。

人に話を聞いてもらうのは本当に大事だと思う。自分を分かってくれる人がいると安心するからだ。なので先ずは家族や友人、心療内科医などに会いに行くのをお勧めしたい。カウンセラーも、自分に寄り添って聞いてくれる。

なかにはそういった気力もない人もいるかもしれない。そのような場合はオンラインカウンセリングなどもある。話す以外にも、「書くだけ」のカウンセリングもあり、敷居が低いからやりやすいかと思う。

十分な食事と睡眠

当たり前な話であるが、きちんとしたものを食べて、きちんと睡眠を取る。これだけで人間、回復するもんだなあと改めて実感した。人間、休めば治る。

本、映画

色んな人の色んな言葉やストーリーは私を大いに元気づけてくれたと思う。オススメなんてものは特になくて、なんでもいいから触れることが大事なんだろう。

アクションやコメディ物など何も考えずに観ていられる作品もいいが、やっぱり心が弱まった自分を元気ずけてくれる作品は最高だった。

ワールドカップ

良いタイミングでやってくれたと思う。イングランドと日本の快進撃には感激したし、私を勇気づけてくれた。

自然や温泉

療養したい時こそ行くべきだなと感じた。効能があるかどうかは別として、本当に癒やされた。

YouTube

ガッチマンとかゲーマーの動画を観ているだけで、自然と元気が出てきたのを今でも覚えている。

乃木坂46

ちょうどハマり始めたということで、ライブにまで行った。アイドルのあの頑張り具合は目を見張る物があったし、とにかく感動した。俺も頑張ろうってなった。

閑話休題 

乃木坂46に元気づけられた一方で、ちょっと凹んだのもまた事実である。なぜかというと、アイドルの壮絶とも言える大変さを目の当たりにしたから。この人達はこんなにも頑張っているのに、私はちっとも頑張っていない。むしろ逃げてる。元気になるためにライブに行ったはずが、少し考えてしまった。疲れている時の思考は怖い。

アイドルの大変さは想像するだけでも恐ろしい。とにかく良い子にならないと社会が認めてくれない。良い子にならないとマスコミ、世間、ファン、そして社会が認めてくれない。ちょっとでも誤ちを犯せば大バッシングの嵐。めちゃくちゃしんどいだろう。

私達は居酒屋だのSNSだの自宅だの、吐け口がいくつもある。注意さえすれば問題なくストレスを解消できる。アイドルはそれができない。バレる可能性大で、リスクが大きいから。ずっと笑顔で、ずっと良い子にならなくてはならない。そしてエースになればなるほど、仕事もリスクも増える。

しかも現代のアイドルは長時間ファンと握手をしなくてはならない。倒れるくらい長時間。無理だ。絶対無理。そしてそれをこなす彼女たちはすごすぎる。よくこんな極度のストレスに耐えられるな。本当に尊敬する。可愛いとかそういうレベルではなく、もはや尊敬する。

けれど私と同じように休んでしまった人はいる。乃木坂にもたくさんいる。追い込まれてしまった人がいる。本当に辛いだろうし、今にも逃げ出したくなるだろう。

私達にできるのは応援することだ。そして休むことを容認すること。彼女たちの誤ちに対して寛容になることだ。マスコミが変わるのはおそらく無理だ(それがビジネスだから)。だからどうかTwitterで叩くのはやめてほしい。ましてや握手会で暴言を吐くなど、やめてほしい。ちょっと想像すれば分かる。私が病んでいた時に、仮にTwitterで私を叩いているのを見たら、死ぬわ。実際私は職場の人に何らかの嫌味を言われていただろうと思う。それを考えるのは辛かった。けどその逆で、たくさんの応援が届けば回復も早くなる。私は色んな人から色んな暖かいメッセージを受け取って回復したのだ。心が病んでいるときほど、その振れ幅も大きくなる。

誰しもがアイドルを応援する社会になってくれたら良いなと心から思うし、私はそのようなファンでいたい。

なぜ軽症うつになったのか

ではどうして軽症うつにかかったか。

直接的な原因はみなさんもご察しの通り、長時間労働、寝不足、栄養不足の3点セットである。毎日鬼のように働いていて、寝不足に陥って、ファストフードばっかり食べていた。確実にやばいやつである。

これらが私の気持ちをプスンとちょん切ったのは紛れもない事実であり、これを解消しないことには軽症うつになる確率が膨れ上がってしまう。

だが私と同様あるいは私以上に劣悪な環境でも平気で働いている人は数多くいる(もちろん彼らが予備軍であることには間違いない)。私以上に残業しまくってる人もいるし不摂生な人もたくさんいる。けどそれを楽しんでいる人だっている。というか私なんてまだまだ新人の域で、大きな責任は担ってないにも関わらず軽症うつになった。まあ色んな意見があるだろうが、軽症うつを出しまくってる私の部署と私は何がだめだったのか。考えてみることにする。

思い込みが激しい、プライドが高い

素直というか、色んな思考やバイアスが私を追い込んでいたのだろう。私は自分という自分を確立していなかった。

私は他人の感情を無意識に感じ取ろうとしてしまう。本来他人の感情なんて一切分からないはずなのに、表情や態度から色々勘ぐってしまい、無駄にストレスがかかっていた。

そして疲れと共にネガティブ思考に侵されていた。

「なんか嫌われているかも?」

「もしかして怒っているんじゃ?」

そんなことどうでも良いはずだし、何なら他人は大して自分のことなど気にしていないのがオチだ。しかし私はいつもそんなことを考えていた。無意識に。

また、私は真面目で不器用で、そしてプライドが高かった。

「男はこうでなくてはならない」

「新人は常に100%で仕事に取り組まなくてはならない」

「人格が仕事を左右する」

「英語・会計・プログラム、その他あらゆるスキルを身につける必要がある」

こんなことばかり気にして馬鹿みたいに高い理想像が勝手に出来上がって、それに従って行動する。そして完璧主義者になり、小さなミスにも落ち込み、無駄にストレスを溜め込む。そして理想と現実のギャップに苦しめられていき、徐々に疲弊していったのであった。

モチベーションが劣悪すぎる

これからの企業は、残業規制やキャリアのフォローアップを更に拡充するであろう。それをやらないと取り残されるし、鬱患者も減らない。これらの施策は今後の楽しみにしておくとして、問題は従業員のモチベーションの維持、あるいは向上である。

私の部署はその点でいうと最悪中の最悪。誰もが死んでいて、誰もこの仕事に情熱を向けていなかったし、楽しんでもいなかった。責任はなるべく回避し、チームワークの欠片も無かった。

常に周りからマイナスワードが飛んでくる。

「この部署は終わっている」

「辛い」

「なんでこんなことしてるのか分からない」

私はそんなことは口にしないものの、それらの言葉に心を動かされていた。雰囲気は伝染する。

これは管理職の責任が大きいと思う。責める気はないが、私は見事にハマったからあえて唱えたい。この部署で働いてもミッションや意義が全く見えてこなかった。私は、何のために働いているのか分からなくなった。私の扱っているシステムは重要度も低く、最悪なくても良さそうなシステム(と思うようになった)。なんでこんなシステムを作っているのか、なんでこんな機能が必要なのか。答えられる人はいなかったし、答えても全く響かなかった。おそらく誰しもが思っている、「これ別に無くて良くないか?」と。それでもあーだこーだ理由をつけてやれと言われる。

「ユーザー部がそう言ってるから」

「やらないといけないから」

理由になってない。

要するにリーダーがいなかったのだ。割り切っている人は、ミッションなど無くても全く問題ない。単純に楽して、給料が振り込まれるのをじっと待ち、自分の趣味をひたすら楽しむ。そういう人は業務には大して貢献しないけど、強い。私はそのタイプじゃない。仕事に意義を求めたかったし、何か目標を持って臨みたかった。

 イムリーにこの記事を見かけたが、子供だけでなく大人も同じなのだ。ミッションを提示して、期待してくれれば、自然と動く。自分でミッションを見いだせなくなった私にも問題はあるが、欲を言えばこんなリーダーに出逢いたかった。

特に金融系システムは「やりたいことをやる(want)」というより「やならければいけないからやる(should)」案件ばかり。AMLはまさにそうだし、勘定系もそう。銀行のフィンテックが糞テックになりやすいのは、一見wantのように見えて、実はshouldで作ってるから。そんなんで良いシステムなんでできやしない。

だからこそ、経営層はいかに従業員を奮い立たせられるか、真剣に考えたほうが良い。 私が苦しい苦しい高校サッカー部でなぜ耐えれたか。それは優勝という大きなミッションがあったから。そして全員がそれを夢見ていたから。おかげでチームワークは私がこれまで所属してきたどのコミュニティよりも結束していたし、やっぱり強かった(結果見事に優勝した)。

テストができない私たち

私たち(私と部署と、その他の大半の職場の方々)はシステムのテストに関しては事細かく検証する。その癖に自分の健康や働き方、組織の在り方については一切テストをしない。 自分でテストして、効果を見て、続けるか止めるか判断する。

こんな簡単なことが日常的に実施できないのはあまりにお粗末であった。

私の視点で話す。まず1日のタイムスケジュールはいくらでも改善できたはず。5時起きの習慣化は確かに私の人生を変えたが、就寝時間をコントロールできなかった私にとって、5時起きという習慣は毒物に変わっていった。

なぜ、効果が薄くなった時点で改善しなかったのか。朝シャンは本当に必要だったか。果たして本当に朝食を取る必要があるか、検証して改善すべきであった。

それらを全くやってこなかった私は、次第に疲れとストレスが溜まっていき、ついに切れた。

次に組織の視点で話す。なぜ無駄な会議を減らさないか。効果が無い会議が大半なのに(進捗会議、本当にいります?)、なぜ効果測定を行わないか。無駄と分かっているのになぜ削減しないのか。いくらでもやりようはあっただろうと思う。一度、外部コンサルでも雇って徹底的に洗ってほしいくらいである。

ある意味、私の部署はある人の独裁政権であった。効果が無いと分かっているのに勝手に必要だと判断して会議設定する。「やる意味ありますか?」と聞いても「あるものはある」と言って聞かない。マジでやめてほしかった。おかげで、日中はほぼ会議なんてものがザラであった。

残業を一概に悪というのは誤りだと思っている。私はどっちかと言うと残業によって軽症うつになったと言うより、残業規制によってタスクが終わらないことにストレスを感じて軽症うつになった。という表現の方が近い。

まあ要するに無能社員なわけであるが、いかにして定時上がりをする、あるいはプロジェクトを遅滞なく進行させるかを考えることができなかった。何らかの施策を行うことができなかった。これは私だけでなく、他の社員も、管理職も、全員がである。

経営層はなぜ残業を規制するのに、案件は減らさないのか。本当にこの案件は必要なのか、1つずつ吟味してほしいくらいである。

これからどうするか

今は復職の一環として、仕事の量は抑えられている。これからまた本格的に仕事を再開するわけであるが、再発させないためにも自分はどう行動すべきなのかを考えてみる。環境が変わったとしても、同じ様に働けば絶対に苦労するから。

家族や友人からは転職も勧められた。もちろん選択肢の1つではあるが、安易な転職は危険だろう。もちろん基本的な対策はきっちり取る。十分な睡眠を取り、栄養のある食事を摂る。生活リズムを整える。運動習慣を取り入れる。それ以外に、できることはないかを考えてみた。

思考を変える

働き方を変えるには、先ず思考を変えないといけない。真っ先に思いついたのはこれだ。

私はあまりにも社畜力が高い思考を持っていた。ドマジメで完璧主義で献身的で、頼まれたら断れない考えを持っていた。別に悪いことではないし、今でもこの精神は大切にしていきたいと思っている。しかし考え方、動き方を考えないと自分を追い込み、今回のように仕事を放棄することになり、信頼を失う。

 

「鬼のように働け」とか別にそういう会社じゃないし、あまりに偏った上司がいたわけでもない。今まで色んなクソみたいな自己啓発書を読んだせいで、洗脳されていたのかもしれない。この考えを変えなければ、再び同じ結末が待っていることは目に見えている。思考を瞬間的に変えるのは無理だ。しかし徐々にでも良いので私の古い考えは改めていこうと考えている。

というか私がここまで書いていて感じたことがある。もしかして思考を変える過程で軽症うつになったのかもしれない、ということだ。今は軽症うつになったのが悪いことだなんて考えていないし、むしろ回復期間を通して色んな角度から私自身や環境を見つめ直し、整理することができている。この為に軽症うつに掛かっていったのかもしれない、なんて考えた。

自分はどうなりたいのかを考えてみる

ちょっと大きな話になってしまうが、自分の人生についてしっかり考えてみたいと思う。就活の時は、実は真剣に考えていなかったように思えたからだ。選択肢が就社、すなわちサラリーマンになることしか考えていなかった。自分の人生はサラリーマンなんて誰も言ってないのにも関わらず、勝手にサラリーマンになる道しか考えていなかった。

自分は何者になりたいのか、何をしたいのか。自分はどう生きたいのかを考える。時間のある今こそこれをやっておきたい。それで納得できる答えが見つかれば、色んな選択肢が見えてくるのだと思っている。

おわりに

「俺は鬱にはならないと思う」

本当に誤解していた。環境次第では誰でも成り得るのがうつ病や軽症うつであり、全員がこの事実を知っておく必要があることを身をもって知った。

私はこの経験を通して強くなったと思うし、多くを学んだ。前へ進めるようになったと思う。自分と周囲の失敗に対して寛容になれると思う。私の会社は心の病に対して理解があり、サポートしてくれる会社だった。感謝したい。これからは患者を発生させないような会社づくりをしてほしい。そして最終的にはこのような会社や人が増えて、誰しもが立ち直れるような社会になってほしいと思う。

『論語と算盤』に生きる。

『誠実に生き、社会に貢献する』

恥ずかしながら、これが私の志である。と言っておきながら、これが全くというほどに出来ずに、最終的に軽症うつを患うことになった。すなわち自分自身を見つめ、自身の行動を改めることが出来ず、社会に振り回されて休職した。志もクソもない。これでは何の意味もない。

結果的にこの事実に気づいただけでも、休職するという選択は意義あるものだったと思う。休職中は何のために仕事をするのか、はたまた何のために生きていくのかがよく分からなくなっていたものである。もともと振り回されやすいタイプだったということもあり、自分の考えを整理できず、周りに従って生きてきた結果である。志が確立していなかったのだ。

休職中はあらゆる本を読んだが、その中で最も響いたのが「論語と算盤」である。私の迷いや悩みを追い払ってくれた。この本に出会って本当に良かった。

著者である渋沢栄一は「論語で一生を貫いてみせる」とし、それを体現した。そんな渋沢栄一が私には眩しすぎた。彼は「論語」を教本として生きてきたが、私はこの「論語と算盤」を教本に生きていきたい。お金は稼ぐに越したことはないが、誠実さとかけ離れた稼ぎなどは不要だ。と、胸を張って言えるくらいの誠実さを持ちたい。

人は本来、清らかな心を持っている。私はそう思っている。改めて社会を見渡すと、私の周りの多くの人が、私と同じように悩まされているということに気づく。社員を奴隷にように思っている会社や、一見正しいように見える社会の常識、お金儲けしか考えていない巷の広告に振り回されて、自分自身を見失なっている人が多い。自分がやりたくないことを渋々とやってしまう人が多い。なるほど、渋沢栄一が危惧した未来がやってきている。だからこそ『誠実に生き、社会に貢献する』。これを自身の行動を持って証明し、意義を示したい。

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

 

乃木坂46から、オススメできる珠玉の10曲を紹介する。

非常に暇だった正月、せっかくなので乃木坂46の楽曲から大好きな10曲を選出してみた。

なお、私が乃木坂46を聴くようになったのはたった1年半ほど前でファン歴も短い。現在総計180曲程度がリリースされているが、私の知っている曲はせいぜい120曲程度であろう。知るひとぞ知るというような曲は聴いたことがない程度に、にわかである。その点はご了承いただきたい。また、ソロ曲は外した。ソロ曲を入れると西野七瀬で埋まるからである。

第10位『忘却と美学』 

忘却と美学

忘却と美学

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高山一実秋元真夏のデュエットという、やや異色なこの楽曲が最高に好きだ。

乃木坂46随一のクールなこの楽曲に、高山一実を宛てたのが素晴らしい。もともと彼女は自身の低い声にコンプレックスを抱いていたらしいが、こんな素晴らしい声で、しかもアイドルだなんて、これ以上の武器はない。しかも文才まで発揮してしまった。天才かよ。

そんな彼女のクールな声が最大限に活かされているということもあって、より惹かれてしまう。そしてその対極とも言える声の持ち主である秋元真夏が、この楽曲をさらに彩らせている。お互いがお互いの声色を引き立たせている曲は中々無い。乃木坂関係なく、最高のデュエットソングだ。ああ、良い声してるわ、2人とも。

第9位『Against』

Against

Against

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聴くだけで元気が出てくる楽曲というのは生涯を通して中々出会えないもので、だからこそ出会った時の感動は大きい。

それほどの大作であるのに、これが表題曲でないことに驚きを隠せない。まあ、シンクロニシティがそれを上回る大作であることが原因なのだが。

とはいえ私は休職中、この曲には大分とお世話になったものである。楽天イーグルス松井裕樹が2018年シーズンの登場曲として採用された楽曲であるが、なるほど確かに聴き手を奮い立たせてくれる。私もこの曲を聴くたびに、同じように奮い立ったものだ。

第8位『他の星から』

他の星から

他の星から

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西野七瀬桜井玲香中田花奈井上小百合若月佑美斉藤優里伊藤万理華という私の好きな人だらけなグループ楽曲。既に5人も卒業しているのは誠に辛い。

私はPerfumeも好きなのだが、この楽曲とMVは駆け出しの頃のPerfumeさを感じる。それでいて、眺めているのは未来ではなく今である。ここに乃木坂46としてのオリジナリティを感じる。いや、なんかよく分かんないことを言ってしまったが、とりあえず今作における西野七瀬があまりに可愛いもんだから(参考:乃木坂46時代の西野七瀬の、ここが可愛かった大賞)、それだけでも見る価値は大いにある。

ちなみに1stアルバム発売記念カップリング人気投票にて第1位を獲得している(参考)。当時のファンがどのような心境でこの楽曲に投票したかは定かではないが、隠れ名曲であることを裏付けるデータになっていることは言うまでもない。

第7位『行くあてのない僕たち』

行くあてのない僕たち

行くあてのない僕たち

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井上小百合伊藤万理華によるデュエット。

イントロ・AメロBメロ・サビでたちまち好きになってしまう楽曲である。やや虚しさを感じる歌詞なのだが、2人の生き様を見ているとむしろ元気を貰えるから不思議である。

当時2人は選抜とアンダーの狭間に位置していて、理想通りに過ごしてはいなかったはずだ。そんな2人だからこそこの楽曲は映える。しかしながら2人はタイトル通り「行くあてのない」人生を送っているかというと決してそうではなくて、2人ともしっかりと今を生きている。それがまた良い。

第6位『心のモノローグ』 

心のモノローグ

心のモノローグ

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白石麻衣西野七瀬というWエースによるデュエット。イントロとサビと間奏と2番目のAメロが好きだ。特にサビが良い。うまく表現できないのだが、リズムの隔たり具合が妙に心地いいのだ。

さて推しの西野七瀬を褒めたいところであるが、この楽曲で際立っているのは白石麻衣かななんて思っていたりする。というのも、西野七瀬の声はデュエットとなると若干物足りなさを感じるからである。先に挙げた秋元真夏高山一実ペア、井上小百合伊藤万理華ペアと比べるとバランスに欠けている。※まあ、そこが売りではないから別にいいのだが。

とはいえ、2番の歌い出しである「残酷に聞こえる」は、至高である。これは永遠リピートできる。これもうまく説明できないのだが、「残酷に聞こえる」の「聞」と「る」の部分が最高なのである。西野七瀬はこの「聞」と「る」の部分を絶妙に歌い上げていて、上手くビブラート?をかけている。また、少しだけ声にかすれを生じさせている。歌詞は「残酷に聞こえる」であるが実際は「残酷にきぃこえるぅ〜」となっていて(ひらがなで表現すると稚拙さが半端なくなるので直に聴いてほしい)、ここに西野七瀬の、歌唱における魅力の全てが詰まっていると言っていい。声のかすれは切なさを表すのに最適で、そして彼女の声色そのものが切ない。それが歌詞と合わさり完璧な「切なさ」が生まれる。故に、西野七瀬はやはり切なさの女王である。これは彼女のソロ曲やソロパートでも存分に活かされていて、この絶妙な歌唱力によって切なさを体現している。気になった方はぜひ他の曲も聴いていただきたい。卒業し、仮にもう歌わないのなら、音楽界においてかなりの損失である。

脱線したが、「残酷に聞こえる」を聴くだけでもこの曲を聴く価値は十分にあるものだから、皆さんもぜひ「残酷に聞こえる」だけでも聴いていただきたい。2番であるためショートVerのPVでは聴けないのが残念だが、お金を出してでも聴いてほしい。結局西野七瀬を褒めている。

第5位『シンクロニシティ』 

シンクロニシティ

シンクロニシティ

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アイドルだから、Jポップだから、とか、そんな理由で「レコード大賞にふさわしくない」というような意見は、もはや滑稽である。と、堂々と言えるくらいの大作が、よりによって私の大好きな乃木坂46から生まれてしまった。もちろん私はファンであるが故にバイアス全開の評価を下しているのだが、客観的に見ても素晴らしい楽曲に仕上がっていると言えるのではないだろうか。

もはや楽曲とは、作詞・作曲・歌唱力が全てではない。アーティストによる歌唱以外の表現力、ミュージックビデオ、衣装、構成。それら全てが楽曲を創るのである。それぞれ見ていくと、「シンクロニシティ」がいかに素晴らしいかが見えてくる。


乃木坂46 『シンクロニシティ』

この楽曲の魅力をとことん詰め込んだミュージックビデオが全世界に無料で公開されていることに、まずは感謝しよう(※乃木坂運営陣は時間が経過した作品をショートVerに変更するという悪行をずっとやってきたのに、一体どうした?)。

完成されたこの楽曲を語る上で、白石麻衣生駒里奈を挙げないわけにはいかない。この2人の表現力には脱帽である。この楽曲のセンターは白石麻衣、そして裏センターは生駒里奈、この構成でしか成し得ないと言えるくらいに仕上がっているものだから、これはもう恐ろしい。特に、表情の変化による表現、これは他のメンバーにはできない業であろう。ダンスは、ダンスというより演舞といった方がいいのかもしれない。真っ白な衣装、笑顔、そして振りを活かして「舞っている」と表現した方が適切かもしれない。もう「美しい」と言うしかないくらいに、完成された踊りである。

強いて挙げるなら茶色の天井と灰色の地面のコントラストがやや微妙だなと思っちゃうのだが、そんなことはもうどうでもいい。レコード大賞に疑問を持った人がいれば、とりあえずMVを観てほしいなと願うばかりである。

 第4位『制服のマネキン

制服のマネキン

制服のマネキン

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主題曲だけでナンバーワンを選ぶとすれば、私は「制服のマネキン」を推したい。「シンクロニシティ」がベストオブベストなら、「制服のマネキン」はトップオブトップである。意味不乙

私の中で一番好きなサビは制服のマネキンだし、一番好きなダンスは制服のマネキンのサビである。あのクネクネダンスは本当に癖になる。去年の神宮ライブでは変化を加えると言う意味合いで別のダンスに変更されていが、オリジナルのダンスの方が大好きな私としてはやや寂しく感じた。

さてこの楽曲を語る上で欠かせないのは当然センターである生駒里奈なのだが、これはもう語る余地が無い。それは先人の皆様にお任せするとして、私が語りたいのは生田絵梨花さんである。「心のモノローグ」では西野七瀬のリピートポイントを存分に語らせて頂いたが、実は「制服のマネキン」には生田絵梨花さんのリピートポイントなるものが存在する。それは、冒頭における生田絵梨花さんの登場シーンである。以下MVは、そのシーンから始まるので再生していただきたい。

この0:10からの登場シーンに、私は感銘を受けた。48回くらいリピート再生した。もちろん見るべきは最後に登場する生駒里奈なのであろうが、そのお膳立てをする生田絵梨花さんがお見事と言わざるを得ない。それくらい素晴らしい登場シーンである。

たった3秒の彼女の動きに、「静と動」が巧みに表れている。手と足をしっかりと振り切って登場する「動」がものすごく大きくダイナミックである反面(0:10〜0:12)、自分のシルエットを明確に強調する「静」が際立ってよく映っている(0:13あたり。厳密に言えば静止はしていない)。「静」における彼女の姿が極めて美しく、カッコいい。膝を曲げて立ち竦む脚の形、腰を反らせて胸を張る姿勢、極め付けは顎の引き具合である。この顎の引きが彼女の力強さを一層引き立たせている。素晴らしい角度である。すごすぎてもう何も言えない。星野みなみを悪く言うつもりは決して無いが、生田絵梨花さんと生駒里奈の間で登場させられていることがやや可哀想である。

さて、この登場シーンを見るに、彼女の瞬発力というか、第一線の大切さというか、とにかく彼女の初動が極めて巧い。彼女がセンターである「何度目の青空か」に関しても、冒頭の歌詞「校庭の端で反射してた」で一気に引き込まれる(※これもリピートポイントである)。

発売予定の2nd写真集においても、真っ先に公開された以下の写真が注目を集めたといっていい(これは講談社を褒めるべきか)。私はこの写真で買うことを決意したくらいに好きである。

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ところで「制服のマネキン」が発売された当時、彼女は未だ15歳である。15歳にしてこの仁王立ち。カッコよすぎる。生田絵梨花さんから生田絵梨花様に昇格する日もそう遠くない。

第3位『無表情』

さていよいよトップ3であるが、これから挙げる3曲に関しては純粋に、というか単純に曲が好きである。これまでの7曲はMVとか、作られる上での背景やストーリーとか、歌っている人とかもポイントに入っているが、トップ3はただただ好きな3曲である。だからよく聴くし、何回もリピートしてしまうものである。致し方なくランク付けしたが、3曲とも大好きな楽曲である。 

無表情

無表情

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で、3位は「無表情」。松村沙友理生田絵梨花さんのデュエットだ。

これは正直に言えば大して人気のある曲では無いが、私は超超超好きである。サビのリズム・曲調・心地よさにパーフェクトにハマったと言っていい。これは歌っている1人が生田絵梨花さんとかそういうの関係なしに、初めて聞いた時から「あ、好き」ってなった曲である。で、今でもやっぱり好きである。

「無表情」はサビを問わず全体的に好きな一曲であるが、敢えてポイントを言うなら2番目のサビの入りだろうか。「Oh yes go ahead」からの「崩してごらん 無表情を」の入り方がリズミカルで最高である。耳が気持ちよくなるとはこのことを言うのだと、理解した瞬間でもある。また、サビの後半「心見せずに 無表情で」の歌い方も大好きである。なんというか、前半と後半の間での瞬間的な静止と、「無表情」の部分を若干伸ばして歌う彼女たちの声色がたまらない程に好きである。

第2位『あらかじめ語られるロマンス』

あらかじめ語られるロマンス

あらかじめ語られるロマンス

  • provided courtesy of iTunes

終始乗りに乗れる、乃木坂46史上最高のリズミカルソングである。2ndアルバムでは「無表情」の後に再生されることもあり、これがまた幸せすぎる。

それほどメジャーとも言えないこの曲が神宮ライブで披露された時は、発狂した。おお、これをやってくれるか、と。特に、この曲に関してはサビを会場全体で合唱する。歌詞に入っている12の星座を、ライブにいる全員で歌うのである。

アリエス!トーラス!ジェミニ!キャンサー!レオ!ヴァーゴ!イッツイン トゥエルブ サイン!あらかじめ語られるロマンス〜!!

みたいなね。優しいライブ運営陣は、ちゃんとスクリーンに歌詞を字幕で映してくれていた。そして、これが本当に至福の時間であった。会場にいる全員と一つになれるのである。この一体感を味わえるからこそ、私たちがライブ会場に足を運ぶ理由があるのだ。おかげで最近は、聴く度に脳内でコールするようになってしまった。

第1位『ブランコ』

ブランコ

ブランコ

  • provided courtesy of iTunes

堂々の1位は「ブランコ」。聞いた当初は「なんだこのラップ調は」と若干毛嫌いしていたのだが、聴けば聴くほどにハマっていってしまった曲である。ついには私的ランキングで堂々1位になってしまった。この曲を聴きながら物思いに耽る(ボーッとしているだけ)というのが最近の至福の時間である。この曲が再生されるだけで、カフェにいようが電車の中にいようが自分の世界に入り込めるのである。麻薬のように良い楽曲である。

なお、この「ブランコ」はアンダーメンバー(選抜に入れなかった人)によるものである。アンダー(下、地下層、表に出ない)なんて酷な呼ばわれ方をするが、名曲が多い印象もある。このアンダーという意味合いが「ブランコ」においては歌詞と曲調に非常にマッチしている。アンダーとしての苦悩が、歌詞に表れているようにも捉えられる。また「ブランコ」でセンターの寺田蘭世は、アンダーにおいても初センターを務めたものである。が、MVを見れば分かるように存在感も充分。選抜で活躍しても申し分ないくらいにおキレイである。頑張ってほしいな。

※その他のエントリー曲

  • 空扉
  • スカウトマン
  • トキトキメキメキ
  • 命は美しい
  • きっかけ
  • 欲望のリインカネーション
  • 急斜面
  • Another Ghost
  • バレッタ
  • 夏のFree&Easy
  • 僕のいる場所
  • アンダー
  • 自惚れビーチ
  • ロマンスのスタート
  • ハウス
  • ロマンティックいか焼き
  • Rewindあの日
  • 隙間
  • せっかちなかたつむり
  • 傾斜する
  • 別れ際、もっと好きになる

私が失恋したということは、生田絵梨花さんと付き合える可能性がゼロからイチになったということだ。

失恋は辛ry

しかしコペルニクス的転回をすれば、すなわち私は生田絵梨花、いや、生田絵梨花さんと付き合える可能性が浮上したということでもある。

仮に私が浮気野郎か一夫多妻制を支持する人間だったら、こんなイノベーションは起こせなかった。これまで誠実に生きてきた私に感謝したい。

 

私の推しメンは紛れもなく西野七瀬だ。

しかし、だ。彼女にするなら確実に生田絵梨花さんである。

各方面から「どの口が言ってんだよこのタコ助が」と大バッシングを喰らうだろうが、あえて言わせてもらおう。なあちゃんと付き合っても面倒臭そうだ。というか気の弱い私だと、どうしても気を遣ってしまいそうだ。お前は誰なんだ。

 

乃木坂46ファンなら、一度は自分の良きパートナーは誰かを必死に考えることだろう。

後輩の北野日奈子に想いを告げられ、先輩である衛藤美彩からも詰め寄られる。いや、けど幼馴染の西野七瀬も捨てがたい。同僚の若月佑美も素敵な女性だ。どうしよう。でも、やっぱり生田絵梨花だよな。

 いや、ほんとにそうだよな。やっぱり生田絵梨花さんだよな。わかるよ。

 あの天真爛漫な、天衣無縫な彼女の姿に惹かれるんだよな。

 

楽しんで何かを行っている姿は、その人を大いに輝かせる。

生田絵梨花さんがとても魅力的に見えるのは、彼女がどんな物事に対しても楽しそうに振舞っているからなのだ。良い意味でアイドルという感じがしない。天性の才能だ。

いやー良いよな。そういう人って良いよなあ。絶対楽しいよなあ。

 

残念ながら生田絵梨花さんと付き合える確率は、今はほぼゼロだ。普通預金金利以下だろう。ただしゼロじゃない。ゼロじゃないんだ。大きな一歩じゃないか。頑張れよ、俺。

仮に付き合えたら、元カノと歩んだ道を塗り替えて、新しい道を歩むことにしよう。いや、でも、結婚するなら、深川麻衣さんかなあ。

 

生田絵梨花写真集『タイトル未定』

生田絵梨花写真集『タイトル未定』

 

 

深川麻衣ファースト写真集 ずっと、そばにいたい

深川麻衣ファースト写真集 ずっと、そばにいたい

 

 

失恋ソング50曲歌い切るまで帰りません。

失恋から逃れるため、失恋ソングを50曲歌いきってきた。

誰にも迷惑を掛けずに3〜4時間程度で自分の心をスッキリさせることができる、非常にオススメの失恋対処法であったので紹介したい。

 

失恋は辛い。とにかく辛い。忘れたい。

忘れるには時間が経つことをひたすら待つことしかないのだろうか。

いやそんなことは無い。

とっておきの処方箋が、失恋ソングだ。

自分の気持ちを代弁してくれる失恋ソングは聴くだけでも大きな効果が得られるなら、歌えば更に効果が増す。

じゃあ、どうするか。行くしかない。ヒトカラ

 

あらかじめ言っておきたいが、私はカラオケが大嫌いだ。

歌うことは嫌いじゃない、ただあの空間が大嫌いなのだ。

窓が無い。空気が汚い。湿度が絶妙にキモい。タバコ臭い。陰湿そのものである。

心なしかジュースも不味く感じる。

そんな悪質な環境下に、どうでもいい会社のおっさんに連れ込まれ、閉じ込められて何時間も過ごす。誘拐かよ。こんなところでポテトを食うな。

 

もちろんヒトカラなんて経験は一切なく、生涯行くつもりもなかった。

が、状況が変わった。今回ばかりは行くしかない。まさかカラオケ嫌いの私が進んでカラオケに行くなんて、人生は何が起こるか分からないものである。

 

プレイリストはあらかじめ選定していた。

私のiTunesに入っている数少ない音楽から、頑張って47曲絞り出した。

※参考:彼氏・彼女と別れた時に聞きたい失恋ソング47選 | キズマガ

 

せっかく絞り出したのだから、これを歌いきってやろう。

ということで近くのカラオケ店に足を運んだ。

 

あぁ行きたくない。カラオケなんて行きたくない。店員さんと顔を合わせたくない。

女子大生アルバイターから「なんだこいつヒトカラかよウケる」みたいな視線を送られたくない。

そんな考えもあって数分間カラオケの入り口の前をうろちょろしていたが、勇気を振り絞って足を踏み入れた。

 

(めっちゃ緊張した真顔で)「あの、1人なんですけど、、」

(めっちゃ平然とした顔で)「すいません、ただいま満室でして」

ウソだろ。平日だぞ。おい、嘘だと言ってくれ。カラオケってそんな人気あるのかよ。

 

満室であることに驚いたが、それよりもまた勇気を振り絞ってカラオケ店に足を踏み入れる行為が嫌だった。

で、別の店の前でまたうろちょろして勇気を出したらまた満室である。東京が怖いよ。

 

もう帰ろうかと思ったが、ここで諦めるわけにはいかず、3店目。

多少は慣れたおかげで、単刀直入に「空いてますか?」と強気に立ち向かえるようになった自分を褒めたい。成長。

そしたら、空いていた。やったぞ。

 

やっとのことでカラオケをすることができる。11番、角部屋だった。

タバコ臭くない。1人にしてはやや広いが、ちょうどよかった。

隣の部屋から歌い声が聞こえるが、もはや気にすることはない。

 

ということでこっから3時間半、歌い続けた。

最初の一声は極めて緊張したが、そんなものは最初のサビでぶっとばされた。

途中トイレに2回行って、ドリンクを1回だけ注ぎに行った。それくらい熱中してしまった。

いくつかの洋楽は登録されていなくて困ったが、とりあえず直に歌うことにした。

またヒトカラということもあって、気にせずキーを調整できる。熱唱することが大事なのだ。それが失恋ソング効果を高める最良の手段である。

どうせならキリの良い100曲が良かったかもしれないが、そんな持ち曲など無かったし、さすがに喉が潰れる。

 

結果、サイコーであった。ヒトカラ、サイコーかよ。

こんなに気持ちよく歌えたのは初めてだったし、カラオケが好きな人の気持ちが少し分かった。人と一緒に行くのはあれだけど。

何度か泣きかけたし、歌って初めてこれがとんでもなく鬱ソングであることに気付いたりもしたが、気持ちを吐き出すには十分だった。

また、自分の状況に似ている曲だけ効果があるわけでも無く、どんな失恋ソングでもそれなりに効果があることが分かった。やはり、失恋には失恋ソングである。

 

いま、失恋して気持ちが切り替えない人は、ぜひヒトカラに行ってみてほしい。きっと良い効果をもたらしてくれるだろう。

 

余談だが、これから私のプレイリストとオススメ曲を紹介したい。興味があれば見ていってくれればと思う。

プレイリストとオススメ曲

  1. さよなら・ありがとう系
  2. 回顧・後悔系
  3. 元気が出る系
  4. 新しい旅立ち系
  5. アンコール

47曲しかなかったので、もう一度歌いたい3曲をアンコールとして歌い直した。誰も見ているわけではないが、ライブ・アーティストになった気分だ。

次のお客さんは履歴を見て私が失恋に悩まされていることを知ることになるだろうが、そんなことはカンケーない。

 

歌唱力が「普通」な私には、熱唱できる曲とできない曲がある。

熱唱できたら最高だなと思うけどレベルが高すぎる曲は、素直に聴いたほうが心地よい。

そういう意味で、Avenged Sevenfold浜崎あゆみは無理。これは歌うより聴いたほうが良い。聴くだけでも失恋には効果があるので安心だ。

 

ハッピーエンド / back number


back number - 「ハッピーエンド」Music Video

曲は良いが、それよりこれが主題歌となっている映画『僕は明日、昨日のきみとデートする』を彼女と一緒に観に行ってたので、それが私の気持ちを大いに揺さぶった。

マタアイマショウ / SEAMO

めちゃめちゃ懐かしい、失恋定番ソング。定番なだけあってやっぱり良い曲だよ。これは。ところでSEAMOの顔ってあんなだったっけ。

Seize The Day / Avenged Sevenfold


Avenged Sevenfold - Seize the day (official music video)

歌いたいけど歌えない名曲。私もこんな風に叫びたいのが、私の声帯がそれを許してくれない。

Seize the day or die regretting the time you lost
It's empty and cold without you here, too many people to ache over

今日という日を生ききるか、さもなくば失ったその時を後悔して死ぬか。

君のいないここは空虚で寒いよ

人が多すぎて、大切に想うこともできない

サビは本当に切ないし、ギターソロの以下は叫んで歌えたらなんて良いことか。 

So, what if I never hold you, yeah
Or kiss your lips again?
Woah, so I never want to leave you
And the memories of us to see I beg don't leave me

もし二度と君を抱きしめられないとしたら、どうなるだろうか

もしもう二度と君の唇にキスすることができないとしたら、どうしようか

君の許を離れたくない、俺たちの想い出を忘れたくない

お願いだから俺を遺して逝かないでくれ

参考記事:avenged sevenfold/seize the day: Something big to tell you

お分かりの通り、この曲は失恋ではなく彼女の死を想定した愛の曲である。まあ、そこは置いておこう。

let go again / Flower feat.VERBAL(m-flo)
let go again feat.VERBAL(m-flo)

let go again feat.VERBAL(m-flo)

  • Flower
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

男性と女性によるデュエット曲であるため、その分あなたの胸をえぐることになる、非常にオススメな曲。1人で歌い切るのは最高だ。

Six Degrees of Separation / The Script


The Script - Six Degrees of Separation (Official Video)

スクリプトと言えば"Breakeven"が有名だろうが、失恋ソングとなればこっちの方が心地良いかもしれない。

First, you think the worst is a broken heart
What's gonna kill you is the second part
And the third, Is when your world splits down the middle
And fourth, you're gonna think that you fixed yourself
Fifth, you see them out with someone else
And the sixth, is when you admit that you may have fucked up a little

別れた直後はショックで傷ついたってことしかわからない
だけど本当に辛いのはその後なんだ
時間が経つほど傷が深くなる
そしてしばらくすると,本当に追い詰められて
世の中が真ん中から裂けたみたいに感じるはずだ
だけどそれを我慢してると,少しずつ元気が出て,立ち直ってるのがわかってくる
別れた相手は自分以外の誰かと付き合ってる
それを見て,やっとそこで気づくんだ
なにもかも相手のせいにしてるけど
実は自分も悪かったって

参考記事:およげ!対訳くん: Six Degrees of Separation ザ・スクリプト (The Script)

六次の隔たり」をテーマとしたやや哲学チックな歌であるが、それなりに良い歌詞だと思う。カラオケよ、収録してくれ。

SMAPとかいう鬱ソンガー

「雪が降ってきた」と「泣きたい気持ち」の2連チャンは、心のえぐり方が尋常じゃない。SMAPは切ない歌が多いが、なかでもこの2曲は歌詞が直接的すぎる。

雪の降る街 一人で思い出と歩いた 
静かに降る雪 手のひらにそっとのせて 
僕の心に降る雪いつか溶けるけれど 
あんなに恋した君の笑顔忘れない

今の季節と合いすぎて辛いよ..

泣きたい気持ちだよ 二度と帰れない

君が笑う夏の写真 捨てきれずに残している

ひとりの夜にまた 戻っていくのさ

今になって 素直な涙知った

はあ。。

We Are Broken / Paramore
We Are Broken

We Are Broken

  • provided courtesy of iTunes

‘Cause we are broken
What must we do to restore
Our innocence and the promise we adored
Give us life again
‘Cause we just wanna be whole
私たちは壊されたから
私たちが元に戻さなきゃ
私たちの純粋さ、私たちが大切にしていた約束
私たちにもう一度人生を
私たちは無傷でいたいだけだから

参考記事:【歌詞和訳】Paramore "We Are Broken" | | 留学生の歌詞和訳サイト

悲痛の叫びを代弁してくれるこの曲を、歌いたかった。

ひとり / 中島美嘉 
ひとり

ひとり

  • 中島 美嘉
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

曲としてはすごいいい曲なのだが、どうしても「ドラッグ・オン・ドラグーン」とかいう鬱ゲーを思い出してしまうため、失恋がどうこうではなくとても嫌な気持ちになった。無し。

西野七瀬とかいう「切なさの女王」

恋愛ソングといえば西野カナが挙げられるかもしれないが、失恋ソングならもうひとりの西野、西野七瀬を推したい(ただのファン)。

「ごめんね、ずっと・・・」「ひとりよがり」「釣り堀」。どれもこれも乃木坂ファンには当然のこと、一般の音楽好きにもオススメしたい失恋ソングに仕上がっている。

これを歌わない手は無い。曲調もなだらかで、キーを下げれば男性でも歌える。

ごめんね ずっと
気持ちに気づかなくて
やさしいあなたに
今日まで甘えてた

「ごめんね、ずっと・・・」は冒頭の歌詞だけで涙が出てくる。ずるい。

愛とは相手のこと思いやる強さと
あなたと出逢ってからわかった気がするの
頬に落ちるその涙が
なぜかとっても温かい
ごめんね ずっと
わがまま言ってばかり
最後はあなたが
わがまま言っていいよ

そこから最後のサビへと畳み掛けるこの歌詞。あかん、泣いてまう。 

ごめんね ずっと・・・

ごめんね ずっと・・・

  • provided courtesy of iTunes

 対して「ひとりよがり」は、前に進みたいあなたにぴったりの1曲に仕上がっている。

ホントはそう私は弱虫
知ってたから背中押してくれたね AH
いつか 夢がやっと叶った時 私は思い出すわ
ひとつ捨てて ひとつ手にした
これで これで よかったか教えて ひとりよがり
昨日 あなたに褒められた ひとりよがり

後半のこのたたみかけが、辛くて切なくて最高に盛り上がる。これもアンコールしようか迷った。

ひとりよがり

ひとりよがり

  • provided courtesy of iTunes

 

I remember you / YUI

直前に隣の部屋から「Good-bye days」が聴こえたもんだから、私がそれに応えたみたいになってしまった。キモい。

スノースマイル / BUMP OF CHICKEN 
スノースマイル

スノースマイル

  • provided courtesy of iTunes
君と出会えて 本当に良かった
同じ季節が巡る
僕の右ポケットに しまってた思い出は
やっぱりしまって歩くよ

君の居ない道を

うーん辛い。君の居ない道を歩くのは辛いな。

I miss you(ALBUM Ver.) / MEGARYU 
I miss you (ALBUM Ver.)

I miss you (ALBUM Ver.)

  • provided courtesy of iTunes

MEGARYUなんて聴くの小学生以来なんだが、普通に感動してしまった。

一人きりの夜になると思い出すあの笑顔
無くしたものに気付いたときそばにもう君は居ない

そうなんだよ、思い出すのってやっぱり一人きりの夜やねんな。

乃木坂46とかいう、やっぱり盛り上がるアイドル

締めの1曲は何にしようか迷った。前に向かいたいけど、切ないのはなんか違う。

ということで元気に出る1曲ということで「失恋お掃除人」をチョイスしたが、これがまた最高。

失恋お掃除人

失恋お掃除人

  • provided courtesy of iTunes
失恋お掃除します
ハートを片付けましょう
こぼしたその涙はちゃんと拭き取って
失恋お掃除します
未練残さぬように
思い出を消し去って清々しましょう
恋は粗大ゴミ

アイドルが恋を「粗大ゴミ」なんて表現をしてしまっていいのだろうか。

というツッコミはさておき、それくらい吹っ切れているおかげでこっちとしてもめちゃくちゃ元気が出てくる。

途中で何回も出てくる「サササのサ」が呪文のように私から失恋を取っ払ってくれる。おかげで良い一歩を踏み出せたよ、ほんとに。

 

ダンケシェーン

ダンケシェーン

  • provided courtesy of iTunes

 同様に「ダンケシェーン」も、元気が出る1曲としておすすめ。

あなたの温かいその背中が好きだった
両手回し頬つけて しがみついた広い宇宙
愛の鼓動は私だけの命だと信じてた

ダンケシェーン!×3

出会えたこと それが運命
別れること それも運命
交わる線 離れる線
過去と未来
今までありがとう

 歌詞は失恋相応だが、要は、そんなものは曲調次第にでどうにでもなる。

ありがとう(↘)なのかありがとう(↗)なのかは自分次第。自分で上向きにできないなら、そういう音楽に頼ればいい。そこでダンケシェーンである。

なお、ライブに行けば以下のようになる。

あなたの温かいその背中が好きだった(超絶可愛い!いくちゃん!)
両手回し(七瀬!)頬つけて(玲香!) しがみついた(みおな!)広い宇宙(生駒!)
愛の(Hoo!)鼓動は(Hoo!)私だけの(Hoo!)命だと信じてた(Ahhh)

ダンケシェーン!(Hey!) ダンケシェーン!(Hey!)
ダンケシェーエェーーン!(Fooo!)

出会えたこと それが運命 別れること それも運命(はいせーの!ハーイハイ!ハイハイハイハイ!)
交わる線 離れる線 過去と未来(ア~!)
今までありがとう(ありがとう!!)

もはや「失恋とは..?」な気分になれる。

やはりテンションというのは、人生を左右する大事な要素なんだなと。

 

というわけで皆さんも、せーの

サササのサ♪ サササのササ♪ サササのサ♪

(恋は)粗大ごみ♪ 不燃ごみ♭ 資源ごみ♡ yeah..